2016年4月27日放送「ソレダメ!~あなたの常識は非常識!?」で渋滞学の権威、
西成活裕東大教授が渋滞を回避する方法を解説。
GW直前…渋滞に巻き込まれない新常識!?
混み始めたら○○する
40m??すれば渋滞はなくなる!?
CONTENTS
渋滞学とは?西成活裕教授とは?
西成活裕(にしなりかつひろ)教授は、
東京大学先端科学技術研究センター教授で、専門は数理物理学および渋滞学。
渋滞学は、流れの停滞を統一的に扱う学問で、道路の渋滞だけではなく、
体内の血液の流れが滞ること、
仕事はなかなか進まないこと、会議での意思決定の渋滞、
動物の動き、
など、さまざまな「流れの停滞」を取り扱います。
渋滞に巻き込まれない方法1:混み始めたら減速する
西成教授の研究によると、高速道路で渋滞が始まるとき、渋滞の先頭が後退していく速さは、
平均的に見て時速約マイナス20kmだということが分かっています。
厳密には、
渋滞している領域に到達していく車の台数と、渋滞からぬけだす車の台数をを計算し、
今の位置から時速何キロで走れば渋滞が解消されたころに到着できるかが分かることになりますが、
現在は個人が車を運転しながらそうした情報を知りうることはできませんので、
渋滞領域の手前5kmあたりから、時速70kmでゆっくり走る
ことを目安にするとよいそうです。
渋滞に巻き込まれない方法2:40m車間距離を開ける
渋滞に巻き込まれないもう一つの方法は、
車間距離を十分に取ること、具体的には、
前の車との間を40m開けること
です。車間距離40mは前の車が車線境界線が2以上見える位置にいるようにする、というのが目安になります。
40mより短い距離に詰めてしまうと、前の車がブレーキを踏んだとき、
自分の車もブレーキを踏まざるを得なくなることが実験結果などから分かっているのだそうです。
統計データによる、車間距離を40mに開けようとすると、時速72kmくらいで走ることになり、
これは1の「混み始めたら減速する」というルールにも適合しています。
割り込まれたら?
車間距離を開けていると、必ずと言っていいほど、割り込んでくる車がいるので、
つい、イラッとしてしまいますが、
どんどん、割り込んでもらってOK。
割り込まれたことによって車間距離が詰まったら、再び距離を取ります。
1に書いたように、渋滞領域は抜け出す車とそこに突入していく車のバランスでできあがっていますので、
急いで追い越していったところで、先では渋滞にはまって動けなくなり、
止まったり進んだりを繰り返しているので、燃費も悪くなります。
渋滞に巻き込まれない新常識とは?「ソレダメ」 まとめ
西成教授が提唱する渋滞回避法は、自分だけが渋滞に巻き込まれない、という方法ではなく、
時速70kmまで減速して車間距離を40mに開ける、という行動をとることで、渋滞自体を解消していく、「渋滞吸収車」になることなんですね。
そんなにうまく行くの?という疑問や、やはり自分だけが損をするような気がする、
という人もいると思いますが、
動物の中には、アリやメダカのように集団の中で「先を譲る」行動をする個体がいるために
渋滞を起こしにくくなっているものがいるそうです。
将来的には、「ここから先何kmで渋滞になっているので時速○kmまで減速して下さい」という表示が出るような交通システムができれば、もっと効果的に渋滞を回避できるそうですが、
「渋滞吸収車」が8~10台並べぶだけでもかなり効果があるそうです。