2016年5月14日放送「世界ふしぎ発見!」
ご利益MAX!行くなら今だ!四国お遍路入門
では、
閏年の今年は88カ所のお寺を逆回りでご利益UP!
今年は60年に一度のご利益マックスの年
という予告が出ています。
逆回りをしたり、どの年に霊場巡りをするかによって
ご利益が違うのでしょうか?
60年に一度のご利益マックスの年とは?
今年、2016年の干支は申年です。
しかし、本来「干支」とは十二支に、
甲(こう・きのえ)
乙(おつ・きのと)
丙(へい・ひのえ)
丁(てい・ひのと)
戊(ぼ・つちのえ)
己(き・つちのと)
庚(こう・かのえ)
辛(しん・かのと)
壬(じん・みずのえ)
癸(き・みずのと)
の十干を組み合わせたもので、
10と12の最小公倍数で60年で一周する、と考える周期なんです。
その本来の干支で見えると、2016年は
丙申(ひのえさる)に相当します。
今年、四国八十八ヵ所をめぐると最大級のご利益がある、と言われるのは、、
丙申(ひのえさる)に年に、
逆打ち(逆回り)で札所を回っていたところ、
弘法大師に出会った
という伝説があるためです。
※弘法大師とは、真言宗の開祖である空海の諡号です。
弘法大師が四国を巡礼していた途中で、
現在の、愛媛県松山市郊外の大きな屋敷に托鉢に訪れました。
そこの主人あった衛門三郎は強欲で、
何度も訪れる弘法大師を乞食坊主と思って追い払い
最後には、大師が持っていた鉄鉢を8つに割ってしまいました。
その後、
衛門三郎の子供8人が次々と死んでしまいました。
そこで衛門三郎は托鉢に来ていた乞食坊主が弘法大師と気づき、
自分の今までを悔いて、弘法大師を求め、遍路の旅に出ました。
しかし、二十数回「順打ち」(普通の順序)でまわっても会うことができませんでした。
そこで衛門三郎は、逆に廻り始めました。
ところが、疲れ果てて、十二番の焼山寺で倒れてしまい。
意識が遠のいていくときに、大師が現れ、罪を許されました。
衛門三郎は、最後ののぞみとして、
「次に生まれ変わるときは、領主になりたい。」と願ったので、
大師は衛門三郎と書いた石を衛門三郎に授けました。
衛門三郎はその石を握ったままは死んでしまいました。
その後、伊予の領主に生まれた男の子が、
手をしっかりと握られたまま開かないため、
親は困って、安養寺(現在の石手寺)に赤ちゃんを連れて行き、
祈念してもらいました。
すると、その子の手が開き
衛門三郎
と書いた医師が出ていたので、
人々は、衛門三郎が生まれ変わったのだと言ったそうです。
衛門三郎が、
逆打ち遍路をしたのが「閏(うるう)年」であるとされており、
そのころの閏年(832年当時)が、丙申の年だったことから
丙申の年に逆打ちすると、
弘法大師に出会える→ご利益が大きくなる
と言われるようになりました。
弘法大師は順打ち(普通の回り方)で回っていたので、
たしかに、その反対方向から歩いていけば、こちらに向かっている
弘法大師と会いやすい、ということですね。
札所の回り方とは?
札所を回ることを「打つ」と言いますが、これはかつて、
お寺を参拝した際に、
お遍路さん(巡礼者)が柱や壁に木製・銅製の納札を打ち付けたことに
由来していまるそうです。
一番から順に回るのが「順打ち」
反対に88番から回るのが「逆打ち」です。
今年は「60年に一度、逆打ちするとご利益がアップする」
と各旅行者も宣伝していますので、
逆打ちされている方が多いことと思われます。
ですが、
札所の回り方にはルールはなく、
県ごとに区切って回ることを「一国参り」といいます。
ただし、お遍路道の案内はすべ順打ちとなっていますので、
逆打ちで回るのは、ツアーなどでなければ、初心者には、難しいかもしれません。
難所「遍路ころがし」とは?
「遍路ころがし」とは、お遍路さん(札所巡りをする巡礼者)が転落してしまうほど危険な難所、
という意味です。
遍路道の途中、いくつか、遍路ころがしがあるのですが、
11番札・藤井寺と12番札・焼山寺の間、距離にして12.5kmが最大の難所と言われています。
山を3つ超えるため、順調に歩けても6時間かかるといわれています。
ちなみに、11番と12番の間を車で行く場合、大きく迂回するので4時間ほどかかります。
そういえば、衛門三郎が倒れたのは12番焼山寺ですが、
このとき衛門三郎は逆打ちしていたので、13番から12番へ来たところで、
遍路ころがしの難所で最後の力を使い果たしたわけではないんですよね。