先日、テレビ番組「この差ってなんですか?」で
アジのたたきとカツオのたたきの違いを
やっていたのですが、
そもそも、カツオのたたきは
どうして「たたき」というでしょうか?
カツオのたたきとは?
カツオのたたきは、
カツオ1本を5枚おろしにして
塩を振り、
表面だけを火であぶったもの。
※5枚おろしは3枚おろしにした身を
さらに背中側と腹側にわけたものです。
伝統的な作り方では
藁の火で焼くのですが、
家庭で作る場合は、
藁、というわけにはいきませんので、
コンロに網を乗せて
金串を打ったカツオを乗せて
皮8割、身2割の
割合で焼き、
すぐに氷水に漬けて余熱で火が通るのを
防ぎます。
飛び散ったカツオの油を掃除することを考えると、
高火力のセットコンロを使うのがいいですね。
イワタニのカセットフーBO(ボー)
は比較的お値段も手ごろで、
4.1kw(3,500kcal/h)の高火力。
さて、
このような調理法は
焼き霜造り
といいます。
牛肉のたたきも同じです。
ですが、
これだと「たたいて」いないですよね?
なぜ、表面だけを焼いて
焼き霜造りにしたものを「たたき」と呼ぶのでしょうか?
なぜ「たたき」?
番組では
カツオのたたきは表面に焼き色がついたところで
カツオを刺身のように切り、
その後、
塩とポン酢をかけてカツオを叩く
と説明していました。
この解説をしたのは
新宿学園 新宿調理師専門学校 日本料理教員の
大山喬之さんです。
調べていると辻調グループのサイトにも
似たような説明がありました。
薬味やポン酢を乗せてから包丁の側面で
軽くたたくことで、
カツオの身に味がなじむそうです。
でも、
これまでの人生で、
カツオに薬味やたれをのせてからたたいたことなんで、
一度もないんですけれど。
さらに調べると、
薬味・ポン酢を乗せた上から叩く
の他に、
昔、鰹の漁をしていた土佐(高知県)漁師たちが、
船上で獲れたばかりの鰹の表面を炙って
塩をたたきこんで食べていたまかない料理だった、とする説
もある、ということがわかりました。
また、カツオのたたきという食べ方の由来も、
漁師のまかない説の他、
土佐藩の領主となった山之内一豊が
食中毒防止のために、カツオの生食を禁じた、
あるいは、贅沢を禁じる意味で生食を禁じた、
ことに対して、
表面を焼いた焼き魚である、として食べた、という説、
大漁のときに焼いて食べることを考えついた、
鹿児島にも、カツオの表面を焼いて食べる料理がある
などの諸説があります。
たたきにするとおいしいの?
カツオはすぐに身が傷んでしまいますが、
輸送方法の発達で、今では産地から離れた首都圏でも、
皮をはずした生の刺身が売られています。
カツオは普通に刺身でも食べられるのですが、
表面をあぶることで、
皮と身の間にあるうまみのある脂肪もそのまま食べられます。
また、カツオの「血の味」のようなクセが香ばしさに変わって
おいしく感じます。
あじのたたきとは?
一方であじのたたきは、
三枚おろしにして皮をとったあじの身を
包丁でたたくように細かく切って
薬味を混ぜたものです。
こちらは「たたき」という名前と
調理方法がむすびつきやすいですね。
カツオのたたきはどうして「たたき」というの? まとめ
番組で、「カツオのたたき」の説明が
一通りだったのは、
ちょっと端折りすぎだったのかもしれませんね。