2016年9月12日放送「主治医が見つかる診療所」
内臓脂肪に続く第3の“場違い脂肪”に注意
で取り上げられる、
場違い脂肪とは？
場違い脂肪とは？
「場違い脂肪」は医学的な用語ではなく、
番組で作った造語だと考えられます。
医学上は
異所性脂肪
というのが正しい呼び方のようです。
皮下脂肪、内臓脂肪に続いて、
３つめの脂肪の蓄積する場所（場所と言っても１カ所ではないのですが）
として、第3の脂肪とも呼ばれています。
人間の体で脂肪が蓄積するのは、主に
皮下脂肪、内臓脂肪（腹腔内の腸間膜に蓄積する）
ですが、そのほか、肝臓や筋肉など、
糖分を蓄えられる臓器にも多少の脂肪があり、
これを異所性脂肪（第3の脂肪）と呼びます。
場違い脂肪とか、第3の脂肪と言われると
一度も聴いたことがない現象が新発見された
ようなイメージを持ちやすいのですが、
よく耳にすることがある、脂肪肝
というのは、肝臓に脂肪が溜まった状態で、
これが第3の脂肪です。
「肝臓は内臓だから内臓脂肪ではないの？」
↑
違います。
内臓脂肪とは、
先にもちょっと書きましたが、
腹腔内の腸間膜（ちょうかんまく）という
腸を支えている膜に蓄積する脂肪のことで、
１つ１つの臓器の中に脂肪が入り込んでいる
わけではないのです。
ところが、第3の脂肪は
肝臓、腎臓、筋肉、心臓などの
組織の中にも脂肪がたまることがあります。
太っていなくても糖尿病になる原因とは？
内臓脂肪がたまると、腹囲が増えるので、
メタボリック症候群の基準として
腹囲が用いられていますが、
日本人はそれほど太っていなくても
糖尿病になる人が多くいます。
その原因の一つになっているのが
第3の脂肪です。
肝臓や筋肉などに脂肪がたまると、
これらがもっている糖分を蓄える機能が低下し、
血糖値が下がりにくくなるためです。
また、膵臓に脂肪がたまると
血糖値をさせるホルモン、インスリンを分泌する
β細胞が障害を起こし、インスリンが分泌されにくくなる
こともあります。
それ以外にも、
心臓に脂肪がたまると心筋梗塞や不整脈が起こりやすくなり、
腎臓に脂肪がたまると高血圧や慢性腎臓病を
起こしやすくなります。
握力が弱くなる？！
筋肉内に異所性脂肪が溜まった状態は
サルコペニア肥満ともいいます。
番組では、筋肉に第3の脂肪がたまったため、
ドライヤーを持つ手を挙げているのがつらくなった
という人が登場しました。
外見ではそれほどの肥満には見えないのですが、
体脂肪率が47％にもなっていたそうです。
それって体の半分が脂肪、ということですよね。
サシが入った和牛状態・・・
利き手の握力を測ってみて、
明らかに落ちたときには筋肉に場違い脂肪がたまっている
可能性もあるそうです。
場違い脂肪を予防する「簡単フラダンス」「ゆっくりシコ踏み」
見た目が痩せていても、
溜まっていることがある、という第3の脂肪は
上で説明したように様々な病気の原因となって
しまいます。
1日安静にしていたり、
3日間くらい高脂肪の食事が続いた、という程度でも
増えてしまいますが、
反対に、運動をする、といった生活習慣の改善で
比較的減りやすい、という特徴があります。
わざわざ運動の時間をとらなくても
今より10～20㎝歩幅を広げて消費カロリーをアップする、
洗濯物や食器など、モノをとるときに
必ず膝を曲げるスクワットを取り入れる、
といった日常生活の動きを変えるだけでも
運動量と消費カロリーを増やすことができます。
番組で紹介されたのは、
簡単フラダンスと、ゆっくりシコ踏みです。
【簡単フラダンス】
循環器中町クリニックの原久美子医師は
フラダンスのインストラクターとして指導もしているそうです。
場違い脂肪を予防・解消するには、
簡単なステップでＯＫ。
足を肩幅くらいに並行に開き、
上体を真っ直ぐ保ったまま腰を落とします。
体重移動を意識しながら左右にステップを踏みます。
中腰の姿勢でステップを踏むと、
下半身の大きな筋肉がしっかり鍛えられ、脂肪の減少に効果的です。
腕を動かすときには
肩甲骨から動かすことを意識するとよいです。
【ゆっくりシコ踏み】
しんクリニック（大田区）辛浩基医師が紹介したのが
ゆっくりシコ踏み。
両足を大きく開いて腰を落とし、
相撲の四股を踏むのですが、「ゆっくり行う」ことがポイントです。
ゆっくり行うことで大きな太ももの筋肉を鍛えることができます。
また片足でバランスを取るため、普段使わない骨盤周りの
筋肉の鍛えられ、股関節が柔軟になり代謝アップにつながり
脂肪が減少しやすくなります。
