チオリンピックで、
スキージャンプ団体戦銀メダルとなった、
竹内択選手が「チャーグストラウス症候」という難病だった、
と話題になりましたが、
「チャーグストラウス症候」という病気は初耳、という人も多いのではないでしょうか?
(弟の竹内寿さんがジュノンボーイ、向井理似、というのも話題ですが・・・)
竹内択選手が1月に入院したのは、
チャーグストラウス症候のためで、
試合後に発表したのは、
竹内択選手なりの考えがあった、ということです。
チャーグストラウス症候群は、
手足のしびれや発熱を伴う症状がある病気で、
難治性疾患克服研究事業の対象疾患のひとつに指定されている難病です。
現在では、医療系の資料では
「アレルギー性肉芽腫性血管炎」と記載されていることが多いようです。
○チャーグストラウス症候群とは?
気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、
アレルギー症状がある人におこることがある病気。
白血球の一種である好酸球が、異常に増加し、
細い血管に血管障害(血管炎)を生じます。
早期に治療を行うと血管炎は治癒しますが、
末梢神経障害が残る場合や、
再発するケースがあります。
○チャーグストラウス症候群の原因とは?
現在のところ、明らかな原因は不明。
なんらかのアレルギー反応によって起こる、という傾向は分かっており、
また、ある種の薬剤により病気が誘発されることもあると
する説もありますが、はっきりした因果関係の証明はなされていません。
チャーグストラウス症候群の約50%の症例において、
白血球の一種である好中球に対する抗体(抗好中球細胞質抗体:MPO-ANCA)が検出され、
抗好中球細胞質抗体が病因に関与していると考えられています。
○チャーグストラウス症候群の患者数は?
日本での年間新規患者数は、約100例;
医療機関を受診し、治療を受けている患者数は、
年間約1,800例と推定されています。
チャーグストラウス症候群は
30~60歳に好発し、幼児には見られないそうです。
もっとも年少の患者では10歳。
男:女 = 4:6でやや女性に多い、とされます。
(性差はほぼない、とする資料もあり)
気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、
アレルギー性の炎症をもつ人に発症します。
○チャーグストラウス症候群の症状とは?
一般に初めに気管支喘息と好酸球増多が見られ、
その後、血管炎に関連する症候が出る、という
経過をたどるのが一般的とされます。
気管支喘息発作、手足のしびれ(末梢性神経炎)、出血斑(紫斑)、関節痛・筋肉痛、腹痛・消化管出血(胃・腸の潰瘍)、体重減少、発熱など。
早期の適切な治療でこれらの症状は改善します。
しかし、末梢神経炎による障害(特にしびれなどの知覚の異常)は長く残ることが多いようです。
また頻度は低いですが、脳出血・脳梗塞や心筋梗塞・心外膜炎、腸穿孔を生じるケースもあり、
重篤となることがあります。
一度治癒しても、再発することがありますので
治療を中止してもしばらくは定期的な通院が必要とされる病気です。
○チャーグストラウス症候群の治療法は?
一般的にはステロイド薬の投与で治療します。
早く治療を中断すると再発することが多いため、
一年間以上にわたって投薬治療する必要があります。
プレドニン30~60mg/日で初期治療を行ない、
症状の改善に従って投薬量を減らしていきます。
脳・心臓・腸に症状が出ている場合、
免疫抑制薬のエンドキサンを少量(50-100mg/日)併用して
治療を行ないます。
また、2010年1月20日から治療抵抗性の神経障害に対して
高用量ガンマグロブリン療法が保険適用になりました。
フィギュアのスルツカヤ選手も同じ病気、という情報を見ました。
治療に使われる、とされているステロイド剤は
ムーンフェイス、体重増、倦怠感などの副作用もありますし
ストレスも大きな原因になりうるアレルギー性疾患で、
よくトップアスリートして競技活動してきたなあ、と思います。
なお、現在のところ、遺伝的な疾患ではない、といわれていますので、
弟の竹内寿さんにはないのかな、と思いますね。