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リポポリサッカライドLPSの免疫力向上効果はトンデモ疑似科学?

4月2日放送「世界一受けたい授業」では

薬学博士、免疫学者杣源一郎先生がリポポリサッカライド(LPS)による免疫力アップについて講義します。

LPSについては、2016年2月20日の同番組で同じ杣源一郎先生の講義があったのですが、
反響の中には、

LPSを「トンデモ」「疑似科学」という批判も多くありました。

2月20日の放送内容をざっくりまとめると

2月20日の『病気になる人、ならない人を分ける夢の物質「リポポリサッカライド」とは』
で放送された内容をざっくりとまとめると、

  • リポポリサッカサイド(LPS)は土壌や自然に含まれる微生物にある物質
  • LPSを食物から摂取することでがん細胞、アトピー、認知症などが改善する
  • ヨーグルトに含まれる乳酸菌はLPSとの相乗効果があるので、一緒に食べるとよい
  • LPS体操=皮膚を刺激するだけでLPSを増やせる

というものでした。

2月20日の放送内容への批判

2月20日に放送された内容への批判は大別すると、

  • LPSについて医学的な知識がある人が持っている認識と番組の説明が大きく異なっている
  • LPSがガン発症のリスクが低くする効果については、具体的な臨床結果が一切取り上げられていない。
  • 体をこすったからと言って、LPS細胞が増えるということはありえない

という3点だと思います。

LPS(リポポリサッカライド、リポ多糖)に対する一般的な医学的認識とは?

LPS(リポポリサッカライド、リポ多糖)は、グラム陰性菌と呼ばれる種類の細菌の細胞壁に含まれてる成分です。
別名をエンドトキシン(内毒素)と呼ばれる細菌毒素で、血中に混入すると発熱や全身性の発疹、ひどい場合はショック症状を起こして死亡することもあります。

ただし、直接血液に入らず、食べてしまってもこのような症状が出ることはありません。
人間の腸内細菌のうち、プロテオバクテリア門と呼ばれる種類の細菌類(大腸菌、サルモネラ菌など)はグラム陰性菌です。

逆に、杣源一郎先生が主張するような免疫力を向上させるような健康効果があることも
医学や微生物学上で一般には認められていません。

産学共同ビジネスとの関係への指摘

もうひとつ、杣氏が主張するLPSの健康効果への疑問が持たれた理由は、杣氏の研究が、
産学共同ビジネスになっていることです。

東洋ライスの金芽米にも関係があるようです。

つまり、商品を売るために、LPSに健康効果がある、と主張していると受け取られているのですね。

4月2日の放送ではどのような主張がされるのか、またそれに対していどういった批判がされるのか、
番組自体よりもそちらのほうがおもしろいかも・・・



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