爆弾低気圧、といわれる急激に発達する低気圧が近づくと、
頭が痛い、だるい、体が重い、血圧が下がる、むくみがひどい
といった体調不良を感じる人が多くなるそう。
最近は気圧や天気の変化と頭痛などの体調不良についてテレビで特集されることもあるので、
「天気痛」「気象病」といった言葉をしって、
もしかしたら自分の頭痛やだるさ、むくみも低気圧と関係があるのかも?
と考えて検索をされている方もいるかもしれません。
そんな方は、こちらの記事で「低気圧と体調不良」の仕組みを知り、ここで紹介する方法を試してみてください。
なぜ低気圧で体調不良が起こるのか?
地球上は大気に覆われているので、
私たちの体は意識しなくても常に
大気圧
という圧力を受けています。
標準大気圧は「1013.25 hPa=1気圧」と定義され、
この標準大気圧の数値を基準に、
晴天の日は高気圧となり、
大気の圧力が低下し低気圧になると、
曇り、雨、台風など、「天気が悪い」という状態になります。
私たちの体は、「1気圧」の時は「1の力」で、大気から押されている状態なのですが、
気圧が低下する、ということは、大気からの圧力が低下しますので、
押される力が弱まった体は膨張します。
つまり、体内の血管やリンパを押す力も弱くなり、
血流やリンパの流れが滞りやすくなります。
血液やリンパの流れが悪くなると、
- 体の末端まで酸素や栄養分が届きにくくなる
- 末端で生じた老廃物や余分な水分が回収されにくくなる=むくむ
といった状態になり、それが体調不良につながります。
血圧が下がることで脈拍が上がって、心臓や血管に負担がかかるため、動悸を感じる人もいますし、心臓発作や脳出血にも気圧が関係します。
低気圧で「乗り物酔い」に似た状態になる
耳の「内耳」には、リンパ液がたまっています。
体が動くと、内耳のリンパ液が傾くことで、
体の傾きが感知されて、バランスをとる、という仕組みになっています。
内耳にある、気圧の変化を感じ取るセンサーは
気圧が急激に変化すると興奮し、
内耳のリンパ液に流れが生じます。
すると、目から入る情報では体は傾いていないのに、
リンパが流れている=体に傾きが生じている、という情報とが食い違い、
脳にとって強いストレスが生じます。
脳がストレスを感じると交感神経の活動が活発になり、それに伴って、痛感神経も興奮します。
そのため、気圧が下がると
頭痛、神経痛、古傷が痛む、などの「痛み」の症状が出る、と言われています。
自分の体調不良が低気圧と関係があるのかを知ろう
上のような仕組みを知ったところで、
自分の体調不良が低気圧と連動しているのか??
を確認してみましょう。
もしかしたら、まったく違う理由で体調が優れないのかもしれません。
スマートフォンのアプリに「頭痛~る」というものがあります。
これをダウンロードしましょう。
アプリを開くと、まず、自分がいる地点を登録する画面になります。
都道府県、市区町村まで登録できます。
すると、自分がいる地点の、
これまで 現在 予報の6時間ごとのグラフが表示されます。
アイコンとコメントで、そのときの自分の体調や気分を記録することができるので、
数日間続けてみると
気圧グラフの状態と体調の変化
が把握できるはず。
低気圧による体調不良への対処法1「酔い止め薬を利用する」
低気圧による体調不良の場合、
酔い止めの薬
が聞く、という報告があります。
これは、
内耳からもたらさせる傾きの情報と視覚情報の食い違いによる
体調不良が起きる仕組みが、乗り物酔いとよく似ているからです。
ポイントは「体調が悪い、とはっきり感じるより前に薬を飲むこと」
なので、頭痛~るで自分のパターンを把握し、
症状が出る前に飲むようにします。
乗り物酔いの経験がある方は
吐き気や頭痛がしてから薬を飲んでもあまり効かない、という経験はあるのではないでしょうか。
それとおなじことです。
他の病気の薬を飲んでいる方は、酔い止めを使うことについて医師や薬剤師に相談してください。
低気圧による体調不良への対処法2「ツボを押す」
低気圧による体調不良に効果があるツボは内関、完骨、れい兌です。
- 内関:手首の曲がりじわから指3本分下の、二本の腱(筋)の間
- 完骨:耳の後ろの骨が飛び出しているところ(乳状突起)の下。
- れい兌:足の第2指の外側で爪の角から後に2㎜下がったところ。
これらは自律神経失調症のためのツボ、とされていますが、
天気痛・気象病にも効果があります。
ツボの刺激の仕方
完骨、れい兌にはペットボトル温灸が効果的。
ペットボトルに80度のお湯を入れ、ツボのあたりに当てて温めます。
内関は、生の米粒をバンドエイドで貼り付けて気がついた時、その上を押す、という方法が簡単です。
ツボの探し方はあまり神経質にならず、だいたいの見当を付けた場所を指でおして、「ひびく」ところ、と考えてください。
低気圧による体調不良への対処法3「ストレッチ、軽い運動をする」
気圧が下がって体が膨張し、血流、リンパの流れが悪くなっていることが
体調不良の原因となっていることがあるので、
ストレッチをしたり、ラジオ体操をしたりして
軽くでよいので、体を動かしましょう。
低気圧による体調不良への対処法4「入浴または足浴をする」
3と同じく、全身の血流、リンパの流れをよくするため、
入浴時にはシャワーではなく、浴槽につかりましょう。
足浴は、バケツやたらいに、足首がつかるくらいの深さで熱めのお湯(45℃程度)を張り
10分程度足を浸します。
目安はお湯につかっていた部分が赤い靴下をはいたようになるまで。
いったん、足を出して、片方が白いままだったら、今度はそちらだけをまた数分間浸します。
お湯から出した足が冷えないようにタオルで覆い、
お湯が冷めてしまったら足し湯をします。
これでもう一方の足も赤くなればOK。
全身の血流がよくなるだけではなく、バランスが整う方法です。
低気圧による体調不良への対処法5「天気痛外来を受診する」
今、日本には、天気痛(気象病)専門の外来は一箇所しかないので、
もう、最後の手段、という感じですが、
自分なりにいろいろやってみたけれども
症状に改善が見られない、という方は
天気痛外来
にを受診してみるとよいかもしれません。
2015年10月現在、天気痛専門の外来は
愛知県医科大学にあります。、
愛知医科大学病院・天気痛外来の佐藤純教授は「天気痛ドクター」というtwitterアカウントで天気痛情報を発信されています。
ドイツではすでに「天気痛予報」があるそうですが、日本では、まだまだ、医師にもあまり知られていないので、
「天気痛外来」で医師から「あなたの痛みは天気痛です」と診断を受けてだけでも安心して症状が少し和らぐ人もいるそうです。
頭痛持ちの人は要注意!爆弾低気圧の接近で体調を崩さない5つの方法とは? まとめ
気圧の低下、特に
爆弾低気圧
と呼ばれる急激で大幅な低気圧の時には
頭痛、倦怠感、むくみ、古傷の痛み、神経痛、人によって鬱症状
などさまざまな不調に悩まされることがあります。
まず、自分の不調が気圧とどれくらい連動しているのかをアプリで調べて、
ここに上げたような対処法を取ってみてください。
すこしでもラクになられますように。