8月3日の「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に
宇多田ヒカルさんの元夫で、
映画監督の紀里谷和明監督が出演し、
日本映画界から超嫌われたしくじり人生をレクチャーします。
・・・が、予告編を見ると、
生徒役で映画評論家の有村昆さんと言い合いになっていますね^^;;
さて、紀里谷和明監督が今まで撮った映画は3本。
CASSHERN(2004)
GOEMON(2008)
ラスト・ナイツ(2015)
です。
最新作の「ラスト・ナイツ」には、アカデミー賞俳優のモーガン・フリーマンさんが出演していますが、
この映画は日本ではまだ未公開で、2015年11月公開予定です。
紀里谷和明監督の映画、3本とも、近未来やパラレルワールド、あるいは架空の「荒廃した世界」が舞台なんですね。
デビュー作の「CASSHERN」が酷評されてしまい、
映画監督としての評価が微妙な感じになってしまっていますが、
「CASSHERN」の評価が低かったのは、
業界から嫌われたためだけでもないのではないか、という気がします。
「CASSHERN」は、有名な、タツノコプロのアニメーション「新造人間キャシャーン」の実写映画です。
以下のリストを見ていただければ分かりますが、
出演俳優は凄く豪華。
【キャスト】
オープニングナレーション 納谷悟朗
東鉄也 / キャシャーン(元兵士、新造人間) 伊勢谷友介
上月ルナ 麻生久美子
東博士 寺尾聰
東ミドリ 樋口可南子
上月博士 小日向文世
ブライキング・ボス(新造人間) 唐沢寿明
アクボーン(新造人間) 宮迫博之
サグレー(新造人間) 佐田真由美
バラシン(新造人間) 要潤
上条ミキオ / 上条中佐 西島秀俊
内藤薫(日興ハイラル社員) 及川光博
ルナの母親 森口瑤子
ブライキング・ボスの妻 鶴田真由
坂本(東鉄也の従軍時代の上官) 寺島進
関口(東鉄也の従軍時代の戦友) 玉山鉄二
池上(東ミドリの助手) りょう
上条又一郎 / 上条将軍(上条中佐の父) 大滝秀治
老医師 三橋達也(特別出演)
で、原作アニメをご存じない方はぴんとこないかもしれませんが、
メインキャラクターの名前は原作と一致しています。
が舞台設定が大きく異なります。
アニメでは、
公害処理用ロボットが落雷によって電子頭脳に異変を生じ、
「地球環境を守るために人間を滅ぼすべきだ」と考えて
自らブライキングボスと名乗り、ロボット軍団を作って人間を攻撃し始めた、
というもの。
映画は、、
大亜細亜連邦共和国がヨーロッパ連合との50年にわたる大戦に勝利した後の、
荒廃し、環境破壊と汚染、公害病が蔓延し、内線が続く、という
現実とはちがう歴史を歩んだパラレルワールドのような世界が舞台になっています。
その中で、東博士は不治の病にある妻のみどりを救うため、
再生医療を可能とする「新造細胞」を発表し、
軍上層部がそれを支援することに。
東博士の一人息子、東鉄也は研究にとりつかれたようになっている父に反発して従軍し、
戦死。
鉄也の遺体が送り返された頃、
博士の研究所に落雷があり、
新造細胞培養槽の「生体部品群」が結合を始め、人の姿になって数百体が蘇生します。
ほとんどは殺されてしまいますが、
生き延びたリーダー格のブライキング・ボス、サグレー、バラシン、アクボーンは、
自分たちを新造人間、として、
人間に復習することを誓います。
実は、「生体部品」とは、大亜細亜連邦の幹部達が、公害病などで傷んだ自分たちの体のパーツを交換するために
培養していた、元人間の遺体だった、という設定です。ブライキング・ボスたちはストーリーが進むにつれて、
人間として生きていたときの記憶を取り戻していきます(個体によって程度や速度に差がある)
一方、東博士は培養槽に鉄也の遺体を浸して蘇生させますが、
筋肉細胞が劇的に活性化して超人的な能力を得た代わりに、内部から破裂してしまう危険性があるため、
博士が開発した高機能ボディアーマーを装着。
こうやって設定を書いていると、原作とは違うものの、
おもしろそうな感じがするのですが、
実際の映画では
観客に「説明しない」演出や展開、
もともと戯曲を意識していたという演技や演出が
大きな違和感になっていた模様。
なんというか、「監督が作りたいものを作って観る側が置いて行かれてしまう」という作品、
という印象を持った人が多かったのだと思います。
映画はエンターテイメント、という面と
芸術作品、という両方の面があって、
芸術作品としては、作り手がやりたいことをやるのは当然なのですが・・・
漫画・アニメが先にあっての実写映画では
「るろうに剣心」がありますが、
あれはわかりにくすぎることもなく、
こどもっぽくもなく、
エンターテイメント映画として成り立っていると思うんですよね。
ちなみに、制作費は6億円で、
興行収入は15億円以上あったそうです。
だからまるっきりの失敗でもないような気もするんですけれどね。