日本では生ケーキの定番「ショートケーキ」。
このショートケーキを日本で初めて作ったのは、
洋菓子店の老舗コロンバンか、不二家か?
2015年8月1日放送の「博多華丸・大吉の愛されるヒミツ!老舗の神ワザ」で
「コロンバンが、世界で初めて作ったケーキは何でしょう?」
という予告が出ていますが、
この答えがショートケーキなんです。
ところで、日本では超・ポピュラーな、ケーキの代名詞のようなショートケーキですが、
日本と全く同じショートケーキは海外にはないみたいですね。
ショートケーキが初めて作られた大正時代、日本人が洋画史を学んだのは主にフランスですが、
フランスには、スポンジケーキにクリームとイチゴを挟んだ「フレジエ」というケーキがありますが、
スポンジはマジパン(アーモンドペースト)を入れたしっとりしたもので、
クリームは、バタークリーム、クレーム・ムースリーヌ(バタークリームとカスタードクリームを合わせたもの)です。
生クリームのこともあるらしいんですが、私はクレーム・ムースリーヌのフレジエしか食べたことがないです。
アメリカにはショートケーキ、と言うケーキがあるのですが、
スポンジではなく、スコーンのようなビスケットにクリームとフルーツを挟んだホームメイドのお菓子。
イギリスのビクトリアケーキは、ローズベーカリーでいただくと、ざっくりしたスポンジケーキに
生クリームとフルーツが挟まれており、表面がクリームではなく粉砂糖、という点を除けば
ショートケーキっぽいですが、もともとはケーキの部分はバターケーキで、ジャムだけを挟んだものなのだそうです。
一番、ショートケーキに近いのが、イギリス圏で作られるレイヤーケーキ。
「赤毛のアン」で痛み止め入りのケーキとして登場しますね。
スポンジを何層かに切り分けて、ジェリーやクリームなどを挟んだものです。
ということで、ショートケーキは、カレーライスやラーメンと同じくらい、
外国風の日本独自の食べ物、と考えてよさそうです。
日本で初めてショートケーキを作ったのは?
番組では、コロンバンの門倉国輝氏が、パリの「ホテル・マジェスチック」、「ジュックス」、「コロンバン」で修業後に帰国し、
東京の大森で「コロンバン」を創業し、そこでショートケーキを日本で初めて作った、
と紹介します。
今では(というか30年くらい前ですでに)特に高級洋菓子店というイメージのないコロンバンですが、
洋菓子店として唯一、宮内省御用達の店なのです。
ですから、
ショートケーキ発祥の店は「コロンバン」というのは
なんだかふさわしい感じがするのですが、
テレビ番組でこう言い切ってしまうと、不二家が黙っていないのはないか
という気がします。
不二家の社史では
1922年(大正11年)1月に伊勢佐木町店が開店し、
ショートケーキを1個8銭で発売した、
となっていて、特に「日本初」とは謳っていませんが、
コロンバンの社史では
1924年(大正13年)3月 東京大森に日本初の本格的なフランス菓子店コロンバン商店を創業し、
ショートケーキ、モンブランを考案して販売。
宮内省(現宮内庁)へ納品を始める。
となっていますので、
文字に残っている記録としては不二家の方が先です。
うーん、これどうなんでしょうかね。