食物繊維を摂るだけではだめ?
日本人は、ねじれ腸・落下腸による便秘が多いのだそうです。
ねじれ腸とはなにか?
解剖図でみるような、コの字のような形の腸は、実は日本人で少数派。
逆にドイツ人などでは、解剖図そのままの形の腸が多いのだそうです。
ねじれ腸の場合、腸の途中がねじれたり、横行結腸・下降結腸などの部位とは関係なく、
おなかの左でタテになっているはずの下降結腸が、
おなかの真ん中で他の腸の部位にはさまれていたりするために、
物理的に、大便がとおりにくくなっているのが原因です。
日本人の便秘の多くが、「ねじれ腸」が原因であることを指摘するのは、
久里浜医療センターの便秘外来医師水上健先生です。
「朝晩3分でガンコな便秘がスッキリ! Dr.水上のねじれ腸マッサージ 」
(水上先生の著書)
ねじれ腸が原因の便秘かどうかのチェック項目
1.子供の頃から便秘だった
2.腹痛を伴う便秘になったことがある
3.便秘の後、下痢や軟便が出たことがある
4.運動量が減った途端便秘になったことがある
上記について、2つ以上該当すると腸がねじれている可能性があるそうです。
便秘解消の鍵は「ひねる運動」
しかし、日本人に便秘が多い、といっても全員が便秘、というワケではありませんよね。
体幹部をひねる動きがある運動(テニスなど)をする習慣があると、
ひねったときに、腸のねじれやつぶれた箇所がゆるむように動くので、便秘になりにくいのです。
運動、といっても、上下運動が中心の、ランニングなどはねじれ腸には効果が薄いので
便秘解消のためにはイマイチです。
受験のために部活をやめたとたんに便秘になり、進学してまた部活を復活したら便秘も直った、
というケースが多いのは、単なる運動不足というよりも、
「ひねる」動きをしているかどうかだとか。
ねじれ腸マッサージの方法
あおむけに寝て行います。
1.下行結腸のマッサージ
おなかの左側を指を立てて交互にトントン叩く
次の指の腹を同じ場所に揃えて当てて、揺するようにする
2.S状結腸のマッサージ
おなかの下側を指を立てて交互にトントン叩く
次の指の腹を同じ場所に揃えて当てて、揺するようにする
起き上がって行います。
3.下行結腸と横行結腸のつなぎ目マッサージ
起き上がって、上半身を左右にねじる。
それぞれ1分間程度、全部でたったの3分間でよいそうです。
タイミングは、寝る前と起きた時の2回がベストです。
重症の便秘だ、という場合は、大腸の状態を確認し、
自分オーダーメイドの「ねじれ腸マッサージ」を知りたい人は、
専門医を受診することもよいでしょう。
久里浜医療センター
IBS・便秘外来 受付月曜 金曜 8時30分から11時 水上健(2013年末現在)
今の医学の教科書には「ねじれ腸」は記載されていないので、これ以外の病院で、
「私はねじれ腸ですか?」ときいても、対応できないそうです。
ねじれ腸についての特集は「はなまるマーケット」で2013年10月31日に放映されました。
また「落下腸」については、日経ヘルスに記事が載っていたことがあります。
落下腸には、「腸持ち上げマッサージ」が効果的だということです。
1.仰向けにねて、膝を立てます。
2.腰を持ち上げてヨガの「かんたんなブリッジのポーズ」のような姿勢になります。
3.おなかの下から上に向かって、指をぴったり閉じた手ですくい上げるようにマッサージします。
お腹の下の方に落ちてしまっている腸を持ち上げることで、腸が動き出し、
落下腸が原因の便通に即効性があるだけではなく、落下腸でなくても効果が見られるそうです。