6月19日放送の「和風総本家」
スペシャル 世界で見つけたMade in Japan
で、東京都中野区の「大川セイロ店」の、馬毛網の漉し器が紹介されました。
ロンドンの修復師さんに愛用されている大川セイロ
大川セイロの製品を使っているのはイギリス・ロンドンの
額縁製作販売の会社で、古い絵画やポスターの修復をしているクレイグさん。
古くなってしまった絵を補強するために、和紙を裏貼りする際、
ノリを、大川セイロ店の漉し器で何度も裏ごしして
粒子を滑らかにします。
粒子が粗いと、乾いたときに紙がちぢんだり、よれたりするのだそうです。
ナイロンの漉し器では、ここまでの滑らかさはでない、と
ロンドンの修復師さんたちは語りました。
そして、大川セイロ店の漉し器を使っているのは、
彼らだけではなく、
他の修復作業をしている会社にも多いそうです。
大川セイロ店とは?
大川セイロ店は、
大川良夫さんと、奥さんの美冨貴(みゆき)さんが二人で作っています。
場所は中野区(新井薬師のほうらしい)
どうも、マンションの1室で作業しているようです。
もともとは、
馬の毛で作られる「毛網」を他の業者から購入して
曲げ物の枠にはめるところだけを行っていた大川さんたちですが、
2001年に、毛網を製作していた愛知県の会社が廃業し、
中国製などでは規格が違って使い物にならないため、
美冨貴さんが、四国(愛媛だったかな?)に、
昔、馬の毛で毛織りをしていた女性を訪ね、
編み方を教えてもらい、
録画を見て、分からないところはまた電話をして、
毛網を作っていったそうです。
番組ではそこまでは言っていませんでしたが、
もちろん、織機もありませんので、
写真や資料を基に、職人に作ってもらったそうです。
しかし、馬の毛には太い、細い、縮れている、などのムラもあり、
最初はうまくできず、
なんども夫婦ケンカした、とも話していました。
大川セイロの今後は?
困ったことに、
今、この馬の毛織りができるのは、
大川美冨貴さんだけらしい。。。
美冨貴さんは66才。では、このご夫婦が仕事を辞めたら、
日本の「馬の毛の漉し器」は亡くなってしまうのでしょうか?
馬の毛だと何がいいか、というと、
金属ではないので、材料に金っ気がうつらない。
和食や和菓子の世界では繊細な味を大切にする。
また、修復作業では、金属分で作品が傷んでしまうこともあるので、
馬の毛は最適。
ナイロンと違い、馬の毛にはキューティクルがあるので、
より滑らかに漉すことができるということもあるそうです。
大川セイロの馬毛の濾し器のお値段は?
1日に1枚しか折れない「毛網」を使い。
最後の行程まですべて手作りの大川セイロ店の漉し器、
何万円もするのか?
と思いましたが、
日本職人名工会
http://www.meikoukai.com
のサイトで見ると、
直径21cmで7200円でした。
直径30cmなら、10000円くらいになるのかな?
しかし手間にたいして安すぎるような気もします・・・
日本職人名工会のサイトでは
通販をしているようなのですが、
在庫や、掲載されていないサイズなどについては
問い合わせしてみてください。