スポーツ

2015箱根駅伝・駒大馬場選手が倒れた?低体温症とは?東京マラソンでも注意

2015年1月2日
箱根駅伝往路5区で、優勝候補だった駒澤大学の
3年生馬場選手が、低体温症とみられる症状を起こし
大失速し
駒大は4位になりました。

※馬場選手が失速した主原因は低体温症ではなく、膝の痛みだったようです。

馬場選手は、昨年山登りの経験があり、区間3位の選手です。

ところが、20キロすぎになると
足元が、フラフラになり、
地面に手をついてしまいました。
その後、再び立ち上がって走り出した物の、
最後の直線でも2度、3度と手をつきながら、
辛うじてゴールに倒れ込んだ状態です。

馬場選手は救急車で病院に搬送されました。

駒澤大学の大八木監督は低体温症ではないかとコメントしています。

駒澤大学は棄権にはならなかったので、
メンタル面では馬場選手も、少しでもラクなのかもしれません・・・

ですが、本当に意識が混濁した場合、

倒れて頭を打つ危険性もありましたよね。

どこで止めるべきなのかは判断が難しいと思います。

ランニング中の低体温症とは?

昨年2013年の箱根駅伝は、
城西大の浜本栄太選手、
中大の野脇勇志選手が
低体温症で途中棄権しました。

当時、5区の二子山の標高874メートル地点は
気温3度、風速18メートルという冷たい強風が吹いており、

さらに1人で走っている時間が長かったため、
体温が奪われて低体温症を起こしたものと
考えられています。

箱根駅伝だけではなく、

  • 冬場、気温が低い
  • 風が強く体感温度が低い
  • 雨やみぞれが降っている

といった日のランニングは、
だれでも低体温症を起こす可能性があります。

ランニング中は、汗を掻き、脱水症状を起こしやすくもなっています。
脱水症状自体も危険ですが、
脱水によって低体温症の危険も増すのです。

低体温症とは?

低体温症とは、

全身が寒冷な場所に長時間さらされるなどの原因によって
体温(正確には直腸温)が35℃以下に低下した時に
生じる、さまざまな障害です。

体温が33℃以下にまで下がると、
意識障害などが現れ、危険な状態になります。

テレビや映画で、雪山で遭難した人が
意識が混濁し、幻覚を見る、
さらに意識を失う、

などの描写を見ることがありますよね。
(私はすぐに「八甲田山」を思い出してしまいますが・・・)

しかし、雪山での遭難

なら分かりますが、

なぜ「走っている」ときに低体温症が起きるのでしょうが?

運動しているから体温は上がりそうですよね?

ランニング中に低体温症が起きるわけ

運動による発熱を
気温や風速による冷却が上回れば低体温症は起こります。

運動によってかいた汗がひえて体の熱を奪うことも
体温の低下を加速します。

また、さきほど書いた脱水症状ですが、
体内の水分が不足することで
血液の濃度が上がり(分かりやすくいうとドロドロの状態)

血流が悪くなって
体の深部で温められている血液が末端まで届きにくくなる
ことも低体温の原因の一つです。

(暑い日に脱水症状を起こして血流が悪くなると、
体の深部の熱が体表までとどかなくなり、放熱できずに
熱がこもって熱中症となります)

激しい運動によって栄養不足がおこることも
低体温症の一因となります。

こうしたことは、
箱根駅伝5区(標高が高く山風が吹く)のような
特殊な環境だけではなく、

東京マラソンのような、都会の街中でのランニングでも起こります。

現に、2010年は東京マラソン当日みぞれまじりの悪天候だったこともあり、
15Km地点で低体温症に陥ったランナーもいました。

この年のニュースでは、一般ランナーに体調不良者が続出したことが
印象に残っています。

低体温症のファーストエイドで注意したいこと

馬場選手の場合、
ゴールしてすぐに救急搬送されましたので、
応急処置は救急隊員が行ったでしょうから
問題はありませんが、

低体温症になった人に対する手当で注意が必要なことが
あります。

  • 急激に血流を促さない

体表近くで冷えた血液が急激に心臓にもどることで
心臓に大きな負担がかかることがあります。

悪くするとレスキューデス(救助され手当を受けたことが死因となってしまうこと)
に陥ることもあります。

  • 意識が混濁しているときには飲み物を飲ませない

温かい、あまい飲みものは低体温症に有効ですが、
意識が混濁しているときには
飲み物によって溺れる(気管に入ってしまう)
ことがあります。

またコーヒーやお茶はカフェインによって毛細血管が収縮しますので
NG、

アルコールは体が火照りますが、結果的に体表からの放熱が増えますので
低体温症の場合はNGです。

ではどうしたらいいか、なんですが、

まず、119番に連絡しましょう。
少しでも意識を失っていた可能性がある場合、

意識を取り戻したとしても
後で脳障害を起こす可能性もあります。

救急車を呼んだら、その上で、
衣服が濡れていたら乾いたものに替える
あたたかく、ゆったりした服がよい

毛布などで体を包み温かい血液が少しずつ体の中心に戻るようにする

意識があれば、ノンカフェインの温かい飲み物をゆっくり飲ませる

などを行います。

ランニング中の低体温を予防する

自分自身がランナーである場合には
走っているときに低体温になることを予防する必要があります。

必要に応じてスタート地点では厚着をする、
(脱いだ後も携帯でき、途中必要に応じて着られるような物がよい)

適当に栄養や水分を補給する
などの対策をしましょう。



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