社会ニュース

突然死したとべ動物園のアフリカゾウ・アフ 死因は?

2016年4月14日、愛媛県のとべ動物園でオスのアフリカゾウ「アフ」が死亡しました。
推定29才。
夕方には、愛媛県ないのローカルニュースで報じられたそうですが、
その夜熊本で起きた地震のためか、全国ニュースで取り上げられたのは18日月曜日になってからとなりました。

死亡に至った経緯と死因

現在、ニュースで発表されている死亡に至った経緯は、次のようなものです。

13日に室内飼育場に収容した時点で異常はなく、
14日の朝、起立不能となっており、点滴や釣り上げて立たせようと努めたものの、
13時ごろ死亡を確認。

死因は、動物園公式サイトやニュースでは、「調べる」となっていますが、
とべ動物園のアフリカゾウのファンの方のブログなどによると、
夜中に、何かの原因で転倒して脱臼したことで立ち上がれなくなり、
自重の負荷で血行が滞ったことによるらしい、とあります。

4月18日夕方報道機関からも死因についての情報が出ました。
当時、アフは、「マスト」というオスゾウ特有の生理周期で、
反抗的になったり暴れたりする傾向があり、夜中に暴れて糞で足を滑らせるなどして転倒した可能性がある。
その際に脚を脱臼して起立不能となり、体重による負荷で循環不全に陥ったことによる死亡、となっています。

なぜ、推定29才?

アフの年齢が推定29才である理由は、
アフが野生由来個体で、正確にはいつ生まれたのかわからないためです。

アフと、パートナーのリカは、野生で孤児になったアフリカゾウの子供で、
保護されて日本にやってきました。

大人になったアフとリカの間に、メスの子供が生まれましたが、
自分も親に育てられた経験がほとんどないリカは、赤ちゃんを鼻で投げてしまい、子どもは人工哺育になりました。

人工飼育されたゾウの子どもは、生育過程で骨折するなど、健康に育つケースが少ないのですが、
媛と名付けられた子どもは飼育員さんの献身的な世話で無事成長し、
しかも本当のお母さんであるリカの元に戻ることができました。

媛に成長については本にもなっています。

リカは、後から生まれた子ども、砥夢(オス7才)、砥愛(メス3才)はしっかり育てています。

野生のアフリカゾウは、メスの母系家族を中心に暮らし、
オスは大人になると単独かオスの小型の群れで暮らすため子育てはしませんが、
アフは運動場は別でしたが、柵越しに子どもたちと交流し、
とべ動物園は、せかいで唯一、アフリカゾウの家族が見られる動物園、と言われていました。

日本の動物園からアフリカゾウがいなくなる?

野生のアフリカゾウは、密猟によって絶滅の危機にありますが、日本の動物園のアフリカゾウも危機的な状況です。

アフが亡くなったことで、日本にいる繁殖能力が確認されたオスは、盛岡のタロウのみ。
広島のタカは愛とのペアリングか進められていますが、まだ成功には至っていません。

アフの子どもの砥夢が繁殖可能な大人になるにはまだ10年以上かかります。
そして、媛や砥愛が大人になっても現状のままではお婿さんになるオスゾウがいません。
現在は野生個体の導入はできませんので、可能性としては海外の動物園から、ということになりますが、
日本の動物園はアフリカゾウの繁殖実績が少なく、
飼育環境の評価が低い(ぶっちゃけ、欧米の動物園に比べて狭い)ことがネックです。

また、大人のオスゾウは、マストという生理周期で反抗的になるため、飼育技術も設備もしっかり対応できるものが必要です。

アフのニュースからこの記事を読まれた方は、
そうしたアフリカゾウの状況についてすこしでも関心を持っていただければと思います。



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