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俳優田宮次郎さんを自殺に追い込んだM資金詐欺とは?詐欺師Xとは?ダマされたアイドルTって?

10月30日放送「爆報!THEフライデー」で取り上げるのは、

M資金詐欺。

「白い巨塔」などで知られる、俳優の田宮次郎さんが43歳の若さで自殺した原因の一つが
M資金詐欺だとされています。

また番組予告では

「詐欺師X」
「被害者・元人気アイドルTがその実態をテレビ初激白!」

とありますが、これは誰のことなのでしょうか?

ます、詐欺師Xとされている犯人の名は竹ノ下秋道

元人気アイドルTは、人気アイドルグループだった「フィンガー5」のリーダー、玉元一夫さんです。

M資金詐欺とは?

M資金とは、第二次世界戦後、GHQが旧日本軍から接収し、秘密資金にした、と言われる巨額の金を資金にする、という話を持ちかける手段の詐欺のことです。

M、はマッカーサーのMかと思いましたが、
GHQ経済科学局の第2代局長をつとめた、
ウィリアム・フレデリック・マーカット(William Frederick Murcutt)少佐(後には少将)の頭文字とするのが定説だそうです。

占領軍が日本に来た終戦直後から、M資金を融資すると言って、手数料などを騙し取る詐欺が多発し、
全日空社長であった大庭哲夫氏も被害に遭っています。

特徴は、融資額が100億円程度(またはそれ以上。大庭氏に持ち込まれた話は3000億円の融資だった)と、とにかく巨額なことです。ウソは大きな方がダマされやすい、と言いますが。

さすがに、2015年現在は直接、M資金を名乗りはしないようですが、
同様の手口で、「財務省が一部管理している秘密の資金がある」とった詐欺話は現在でもあるそうです。

田宮次郎さんが被害にあった経緯

1977年、竹ノ下秋道と名乗る人物が田宮次郎さんに近づき、
「M資金」の融資の話を持ちかけました。

竹之下は「関東畜産協同組合」理事長を名乗り、オークラなどの高級ホテルを定宿にして、リンカーンを乗り回していました。
なんだかテレビや映画みたいなレベルの詐欺です。

田宮次郎さんが

「この資金は、日本の有為の士にだけ融資する特別な資金であり、あなたはそれにふさわしい。
2000億円を低利で融資し、催促なしのある時払いでいい」

などと絶対にあり得そうにない話に騙されたのは、当時、田宮さんが躁鬱病の「躁」の時期だったため、とも言われています。

田宮さんは、竹之下の融資がある、という前提で
南麻布の高級マンションを3部屋、南麻布の土地を購入し、

会社の再建、迎賓館の建設、大映撮影所跡地の購入、世界人形館の建設、トンガの石油開発

などの計画を立てていたそうですが、
ここまでくると田宮さん自身が、躁鬱、というよりも誇大妄想なのでは?と気さえします。。。

翌年1978年、竹之下は消え、田宮さんはマンションの購入手数料900万円を支払った後で、
竹之下のホテル宿泊代500万円までかぶせられることになりました。

購入した土地などは売却したそうです。

その後事件が明るみに出て大騒ぎとなり、
田宮さんは、今度は「鬱」の時期に入ったこともあって自殺してしまった、とされています。

竹ノ下秋道は、2009年千葉県旭市内で世を去りました。
長女(結婚して奥さんと子供がいた、というのがびっくりですが)によると、晩年は生活保護を受けていたそうです。

竹之下は1999年に逮捕されて懲役刑を受けていたのですが、自分はえん罪だと主張していました。
田宮さんの件も自分が騙したのではなく、紹介した別のブローカーが騙したと、どうやら本気で考えていたようです。

玉元一夫さんの被害とは?

竹之下は、アイドルグループ「フィンガー5」の元メンバーでリーダーだった玉元一夫さんに

GHQが占領時に接収した旧華族の財産が各省庁に返還されたうちの300億円を融資する

と持ちかけて、その印紙代として400万円を騙し取っていました。

玉元一夫さん、現在は?

フィンガーファイブは、ジャクソンファイブをまねた、
兄弟(ひとりが女性)のグループで、

玉本一夫さんは、1955年4月8日生まれ、長男です。

芸能界から引退した後、不動産会社を経営していましたが、
脳内出血で倒れて以後、歩行などに生涯が残りました。

2001年、自由連合から参院選に出馬しましたが落選しています。
現在は沖縄に住んでいるようです。

今回「爆報!THEフライデー」に出演するのはかなり久しぶりのテレビ出演ではないでしょうか。

俳優田宮次郎さんを自殺に追い込んだM資金詐欺とは?詐欺師Xとは?ダマされたアイドルTって? まとめ

GHQの隠していた資金とか、
金額の巨額さとか、
竹之下が高級ホテルに泊まったリムジンを乗り回していたなど、

ちょっとばかばかしくなるくらいの「絵に描いたような詐欺」だと思うのですが、

ばかばかしいくらいのほうがウソって通用するのかもしれません。

ディズニーミュージカル「アラジン」で、ジーニーの魔法で「アリー王子」となった
アラジンが多くの従者とゾウ、らくだ、クジャク、白いサルなど動物を従えたパレードでアグラバーの王宮に乗り込みます。
親友の一人、カシームには「こんなのバレバレの詐欺、通用するわけがない。アリアリ詐欺だ」と言われてしまいます。

ところが、サルタンも、ジャファー(悪役)も、ジャスミンも、
アラジンの挙動に不審な点があっても、王子であること自体は疑わないのです。

やりすぎなくらいのほうがウソは通ってしまうのかもしれません。



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