1月9日放送「世界一受けたい授業」で、
首都大学東京 健康福祉学部 理学療法学科 教授の
竹井仁先生が、
筋膜リリースによる肩こり解消法をレクチャーします
現代型肩こりの原因は「筋膜のシワ」
筋肉自体は数千本から数万本とされる筋繊維の束でできています。
繊維がバラバラにならないように包んでいるのが筋膜、という薄い膜です。
鶏のもも肉やささに肉を料理するときに見てほしいのですが、
筋肉はある程度の塊ごとにうすーい膜につつまれています。
この膜が筋膜です。
長時間同じな姿勢を続けたり、同じ運動を繰り返す状態が続いて筋肉に負荷がかかると、
筋肉は収縮して凝り固まります。
凝った筋肉はもみほぐすと柔らかくなります。
しかし、「収縮して凝る」→「もみほぐす」
繰り返していると、筋膜にシワが寄ってしまい、そのシワに引っ張られて、
そこが凝りになってしまいます。
ですから、筋肉をもみほぐしても凝りが解消されなくなってしまうのです。
シワが寄った筋膜をゆるめる「筋膜リリース」
自分で出来る筋膜リリースの方法(ストレッチ)です。
【斜め腕伸ばし】
1.椅子に座り、右手を斜め下の方向に伸ばします。指先が床にめり込んでいくイメージです。
2.すこしあごを引き、首を左に倒します。頭と指先が引き合っている状態。
3.左手を右肩に置き、首を左にかたむけたまま 左耳を肩より前に出すように少し天井の方を見ます。
この状態で20~90秒キープ(できる範囲で)。
4.首を傾けたまま今度は鼻先を左肩に近づけ少し下を向きます。20~90秒キープ(できる範囲で)。
5.反対側も同様に1~4を行います。
【平泳ぎ筋膜リリース】
1.両腕を前に伸ばし手のひらを下にして20~90秒キープ(できる範囲で)。
このとき、肩甲骨を前に出すイメージですが、背中を丸めないようにしてください。
2.肘を方の高さのまま後ろに引き、肩甲骨どうしを寄せるようにして20~90秒キープ(できる範囲で)。
平泳ぎするとき、水面に水平に腕を動かすイメージです。
3.ひじ後ろに引いた状態から肩甲骨を起こすイメージで手を上に挙げ、肘は直角にして、やや後ろに腕を倒してキープ(20~90秒、できる範囲で)。
インベーダーゲームのイメージです。
【 S字筋膜リリース】
このストレッチは立って行います。
1.右手を頭の後ろ、左手を背中の後ろ、肘が直角になる様にします。
2.肩甲骨を回すように、右手は左方向へ、左手は右方向に動かし、20~90秒、できる範囲でキープします。
3.右足を左足の前でクロスさせて20~90秒できる範囲でキープ。
4.反対側も同じようにします。
【バレリーナ風筋膜リリース】
このストレッチは立って行います。
1.右足を一歩前に出して軽く曲げて立ちます。
2.右手のひらを自分の方に、左手のひらを後ろに向けて、右手は天井に、左手は床の方向に伸ばして、軽く体を左にひねってキープ(20~90秒できる範囲で)。
3.反対側も同様に。
筋膜リリースストレッチを行うときの注意
どのエクササイズも、筋膜が固くなっている人にはとてもやりづらかったり、
やろうとするとつる感じがしたりします。
「できる範囲で」と書いていますが、
無理をせず、ぎゅっと力を入れたりせずに少しずつゆっくり行っていきましょう。
より詳しい方法を知りたい人は、竹井先生の著書も参照してみてください。
自力で解消できない重症な「シワ」の治療法
竹井先生だけではなく、今筋膜の働きや役割や整形外科で非常に注目されており、
筋膜のシワにアプローチする治療法があります。
ストレッチは、自分で行うものですから
「筋膜のシワがあるんだろうな」という見込みで行いますが、
治療の場合は、エコー検査でどこにどの程度のシワがあるのが見えるそうです。
エコーで確認した筋膜のシワに
生理食塩水を注射する
鍼治療を行う
ことで、シワは解消されます。
筋膜性疼痛症候群(MPS)研究会の公式サイトで、
筋膜が原因となっている疼痛(強い持続的な痛み)の治療を行っている
医療機関や施術所を調べることができます。