2014ドラマ

「花子とアン」第4週19話 与謝野晶子「やは肌のあつき血汐にふれも見で」

NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」
第4週「嵐を呼ぶ転校生」で、
仲間由紀恵さんが演じる、
伯爵令嬢 葉山蓮子が登場しました。

 

蓮子は、はなの生涯の「腹心の友」となりますが、
出会ったときには、かなり印象が悪いですね。


葉山蓮子のモデルは、
歌人、柳原白蓮(やなぎわら びゃくれん)。

白蓮は、白蓮事件、というスキャンダルの渦中の人と
なりますが、
この事件のことも「花子とアン」で描かれます。

・・・村岡花子さんもいわば略奪愛だし、
明治の女性って私たちが思っている以上に
凄いところはあるよね。

(明治生まれの私の祖母は、後妻で、内縁の妻でした。
いろいろな事情があり、
入籍しないまま、祖父が他界してしまいました)

ドラマの冒頭で、
50代のはな(村岡花子)は、

“Anne of Greengables”で、
アンと
ダイアナ・バリーとの出会いの
場面を訳しています。

バリー家の庭でアンは、ダイアナに、
あなた、私のbossom friendになってくださらない?
と言うのですが、

このbossom friend
をどう訳すか?はなは悩みます。

意味からすれば、「親友」「心の友」ということになり、
最近の訳では、「心の友」としているものもあります。

大げさで古風な言い回しが好むアンが、
ここでbossom friendと言ったのだから、
日本語としても、特別な言い回しにしたい、
とはなは考えたのでしょう。

村岡訳では、
bossom friendは「腹心の友」と訳されました。

アニメ「赤毛のアン」でも
劇団四季ミュージカル「赤毛のアン」でも

腹心の友

なので、いまや、そのイメージがかなり強いですよね。

はなは、葉山蓮子と出会った日のことを思い出します。

春、桜の花びらとともに、修和女学校に
1人の編入生が現れました。

はなは、ある日、
校門前に自動車でのりつけた
美しい令嬢に出会います。

はなが、運手種の男性に、
「ここは男子禁制です」と言うと、
令嬢は、自分の荷物をはなに運ばせます。

校舎に入ると、
寮母兼任の茂木が、
令嬢に「葉山様」と呼びかけ、
令嬢は、茂木にも高飛車な態度で接するのを見て、
はなはおどろきました。

葉山蓮子は、伯爵家の令嬢で、
個室を与えられたり、
夕食を自室に運ばせてもとがめられず、
特別待遇をされていました。

ですが、24歳の蓮子が、
16歳のはな達の同級生として編入してきたわけを、
茂木も、富山も知りませんでした。
さすがに、校長のブラックバーンは知っているらしい、
と茂木は言います。

はなは、女工になった妹のかよと
主席を取ると約束したから
懸命に勉強している、とふじに手紙を書きました。
裁縫と数学が苦手なのは、
アンと同じです。

アンは学校では裁縫の授業はありませんが、
家ではマリラにパッチワークの仕事をさせられています。
決して不器用ではないアンですが、
同じ事の繰り返しが苦手なんです。

はなは、正月に帰省して、
家族とのへだたりと、家族のはなへの思い、
そのどちらも痛感したはなは、
ふじへの手紙には、甲府の方言を使うようになりました。

一方朝市は、
教会で1人読書と勉強を続けていました。
しかし、
母のりんには百姓仕事の役に立たないと理解されず、
教会に来ることも内緒にしていました。

そんな朝市に、森牧師が
「人の役に立つ勉強をしたらどうか」
とすすめました。

はなは、英語の勉強をますます頑張っていましたが、
富山と衝突することも増えていきます。
ある日、授業で「ロミオとジュリエット」の中の
2人の逢瀬を訳していたはなは、
富山にその場面は割愛すると言われ、
ここは大事な場面だ、と抗議します。

ジュリエットが
「あなたの唇で私の罪は浄められました」
というのは、バルコニーのシーンですね。

そこで突然、蓮子が
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
と与謝野晶子の歌を口にします。

そして、
富山が男女の恋愛を汚らわしい考えるのは、
自分の恋愛経験がとぼしいからではないか、
と言います。

蓮子の挑発に怒った富山は、
蓮子に教室から出ていけ、と言います。

蓮子は「ではお先に、ごめんあそばせ」と
涼しい顔で出て行ってしまいます。

与謝野晶子は、明治の女流歌人として有名です。

「君死にたもうことなかれ」とか
学校でも習いますよね。

晶子は、歌集『みだれ髪』を発表し、
女性が性愛についての表現をすることがほとんどなかった時代に
官能的な歌を詠み、、
伝統的歌壇から批判されました。

一方、世間からは熱狂的支持も受け、
浪漫派歌人としての地位を確立し、
歌壇に多大な影響を与えました。

平安時代の歌なんて、ほとんど恋の歌で、
結構きわどいことも読まれているのに、
明治の時代には、
晶子の歌はスキャンダラスにとられたんですね。

「みだれ髪」の中の

 
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

 

 

は、晶子の歌の師匠で、夫である与謝野鉄幹との
結婚前に鉄幹に向けらて詠んだ歌と言われてます。

 
この短歌は、真木よう子さんが出演する
TOYOTA 赤いハイブリッド SAI
テレビCMでも使われましたし、
もっと古いコマーシャルでも、
節をつけて歌っていたものがありました。



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