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「あらいぐまラスカル」がレッサーパンダっぽく見えるのはどうして?

あらいぐまラスカルが、
実際のアライグマよりもレッサーパンダに似た
デザインになっているのはどうして?

本物のアライグマとレッサーパンダはどこが似ていてどこが違うの?

ラスカルはレッサーパンダ?

日本人にとって「アライグマ」は
アニメ「あらいぐまラスカル」のイメージが強いと思うのですが、
ラスカルはどちらかというとレッサーパンダに近いデザインになっています。

ですから、
「けものフレンズ」アニメ版で、
メインキャラクターの1人である、アライさん(アライグマ)を見て、

ラスカルとイメージが違う?

と思った人もいるのでは?と思います。

ラスカルは初放映が今から40年前の古い作品なので、
最近の若い人は知らないかなと思ったら、

今でもキャラクターグッズはどんどん作られているし、
テレビで再放送もされているんですね。

そこで、

「あらいぐまラスカル」「アライさん」とアライグマ、レッサーパンダの比較、

どうしてラスカルはレッサーパンダみたいなのか?

アライグマやレッサーパンダはどんな動物なのか?

などについてまとめました。

「あらいぐまラスカル」とは?

「あらいぐまラスカル」は、
1977年1月2日から12月25日の期間で、
フジテレビ系の「世界名作劇場」で放送された
日本アニメーション制作のアニメです。

原作はスターリング・ノースの小説
「はるかなるわがラスカル」。

ラスカル=rascalは英語で、ならず者、ごろつき、いたずらっ子、などの意味です。

アメリカ農村地域・ウィスコンシン州を舞台に
1914年~15年の1年間、

スターリング少年が、母親を猟師に打ち殺されたアライグマの子、ラスカルを
育てた経験と、
スターリング自身の生活環境の変化(父の事業の失敗、進学)と
成長したラスカルの行動が人間との暮らしになじまないため、
カヌーで森の奥深くラスカルを連れていって放すまで、を描いています。

ラスカル、アライさん、アライグマ、レッサーパンダの比較

あらいぐまラスカル

けものフレンズのアライさん

アライグマ

レッサーパンダ

「あらいぐまラスカル」はレッサーパンダに近いデザイン、
アライさんは、もともとのアライグマの毛色に近い、
ということが分かると思います。

埼玉県こども動物自然公園の、レッサーパンダ舎の前にも、
レッサーパンダとアライグマを比べるパネルがあります。
(埼玉県こども動物自然公園では、アライグマは飼育していません)

アライグマの前あしの特徴

レッサーパンダの前あしの特徴

ラスカルはどうしてレッサーパンダに似ているの?

ラスカルは、
パイロット版までは、実物のアライグマに近い色設定だったようですが、

かわいくみえない

という理由で、目の周りを白くして、
今のような色に変わったと言われています。

(だからといって
実物と色からして違うデザインにするのはどうかと
思いますが。)


このエピソードはいろいろなところで書かれていますが、
じゃあ、どうしてレッサーパンダにしたのか?は
触れられていないような気がします。

ただ、鯖江市の西山動物園の公式サイトによると
2014年までは
レッサーパンダを「アライグマ科」としていたそうなので、

似たような動物

という意識だったのかもしれません。

アライグマってどんな動物?

ネコ目 アライグマ科
アライグマ属アライグマ

生息地はカナダ南部から南アメリカ北部の
森林や草原地帯の、
湿地や河川の近くを好みますが、

適応力が強く、人の住む町にもよく現れます。

雑食性で、

果実や木の実、昆虫や小動物、鳥の卵、ザリガニ・カエル、魚介類などを
食べます。

トウモロコシなどの農作物も食べ畑を荒らすことがあり、
日本でも害獣として各地で対策・駆除の対象となっています。

前肢の5本指を使って、水の中の獲物を捕らえる様子が
ものを洗っているように見えますが、
水が無くても前肢で食べ物を擦ることがあります。

基本的に単独生活動物です。

「あらいぐまラスカル」の人気で
日本に輸入されてペットとして飼育されるように
なったのですが、

逃げだしたり、
大人になって飼いきれなくなった人が捨てたりしました。

アライグマは環境適応力が高く繁殖力が強い動物で、
日本にはアライグマの天敵であるピューマやオオカミがいないため
定着して増えていき、

日本の生態系を脅かしたり
農作物や歴史的建造物(屋根裏に入り込むため)に
被害を与えている、として問題になっています。

ニホンオオカミが絶滅していなければ
また状況は違ったのかもしれません。

レッサーパンダってどんな動物?

ネコ目 レッサーパンダ科
レッサーパンダ属レッサーパンダ

生息地は、
ヒマラヤ南部や中国の四川省、雲南省、ミャンマなどの
標高1,800~4,000mの竹林や森林。

主な食べ物は
竹やタケノコ、果実で、

時には、小型の哺乳類、鳥、卵などを食べることがあります。

基本的に単独生活動物です。

動物園で、飼育員さんが直接手からリンゴなどの
エサをあげている様子を見ると、
成獣もアライグマよりは人なれしやすいのではないかと
思われます。

アラグマのようにものを洗うような仕草はしませんが、
レッサーパンダには「利き手」があります。

レッサーパンダ、という名称は、
ジャイアントパンダに対して、
「より小さい」という意味です。

先に発見されていたのはレッサーパンダの方で

ネパール語のニャリャ・ポンガ(ネガリャ・ポンヤ、と
表記している場合もありますね。まあ、外国語の発音を
カタカナにしているので、どちらにしてもズレがあるのだと
思います)は、「竹を食べる者」

という意味で、そのポンガ(ポンヤ)がパンダになった、
とされています。

また、 レッサーには蔑称の意味があるため、
英語ではできるだけレッドパンダ、というように
している動きもあり、

日本でも愛好者の方の中には「赤パンダ」と呼んでいる
人がいます。

アライグマはペットとして飼える?

「あらいぐまラスカル」の人気から、
日本にペットとして輸入されるようになった
アライグマですが、

現在は、特定外来生物に指定されており、

外来生物法に基づいて、
飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止されており、

研究目的などで、逃げ出さないように適正に管理する施設、設備を持っている
など、環境省に申請をして、特別な場合に限り許可される

ということなので、

個人がペットとして飼育する、
というケースはまず許可が下りないでしょう。

アライグマをみかけたら

アライグマは
狂犬病やアライグマ回虫による幼虫移行症などの
人畜共通感染症を持っている可能性があります。

見かけても触れないようにしてください。

なお、アライグマは
環境省より特定外来生物に指定され、
日本の生態系からの完全駆除が目標とされていますが、

勝手には捕獲したり殺したりすることはできません。
もし、自宅や所有している畑が被害にあっていて
捕獲をしたい場合、住んでいる市町村の「防除作業従事者」になる必要があります。

レッサーパンダを個人で飼うことはできる?

レッサーパンダは、
IUCNによる保全状況(Ver.3.1)において
EN=絶滅危惧

とされている動物です。

個人で飼うことはできません。

「あらいぐまラスカル」がレッサーパンダっぽく見えるのはどうして? まとめ

「あらいぐまラスカル」で
ラスカルのデザインがレッサーパンダよりなので、

かわいくみせるため

だったようですが、

もともとのアライグマに近いデザインにしていたら
「ペットにしたい」と思う人は
もっと少なかったんですかね・・・?

まあ、それはもしも、の話にすぎません。

「ラスカル」では、アライグマだけではなく、
カラスやスカンクなど、他の動物と人間が
同じ空間で暮らしていくことの難しさも描いていて、

最後にラスカルを森に返すのも
もともといた場所に戻しているだけなんですが、
(人工哺育のラスカルが野生で生きていけるのか、
という点では疑問がありますが)

日本で、大人になったアライグマを飼うのが大変、となった人が
山とか川に捨てるのを正当化しちゃったのかなあ、
という気がしなくもありません。

他のアニメ、マンガ、映画などで
「主人公がもうすぐ死ぬと分かって
飼っていた小鳥を籠から逃がす」みたいな描写が
美化されていることってありますよね。

あれは逃がしているんじゃなく捨てているだけなんですけれど。

アライグマが、日本の固有種の動物や農作物に被害を出しているのは
本当で、これはもう、残念ながら防除をするしかありません。

でも、動物園では、その話はいったん置いて、、

アライグマ

という動物の魅力的なところをぜひ見付けてほしいし、

そこから振り返って、
他の動物がアライグマのようにならないように
考えてほしいです。



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