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ギニア共和国は本当に一夫多妻制なの?

グラビア演歌歌手の北山みつきさんと
ギニア共和国出身のタレント、オスマン・サンコンさんが結婚した、というニュースがありましたね。

ニュースの中では、

ギニアは一夫多妻制で、
サンコンさんにもすでに二人の奥さんがおり、北山みつきさんは3番目の妻となる

とされています。ギニアはイスラム教のクラルーン(コーラン)に書かれていることをもとにした一夫多妻だ、ということなのですが、
イスラム教の国民が多くても、法律で一夫多妻は認めていない国もあったり、
一夫多妻にはできるけれど他の奥さんが認めなければ結婚できないケースがあったり、
いろいろ、複雑なんですね。

それで、ちょっと気になったので
ギニアの婚姻(結婚)制度について調べてみました。

ところで、サンコンさんは、2014年10月13日放送の「私の何がイケないの?」に出演し、

このとき、3番目の妻ドマーニさんが日本での生活に限界を感じていて、離婚の危機にある、

という内容が放送されました。

在日本ギニア大使館で料理人として働いていたドマーニさんは、大使館の中では
ギニアの言葉とフランス語だけで生活しており、
2006年にサンコンと結婚した後もなかなか日本語や日本の生活になじむことができなかったようです。

ドマーニさんは、この4年前にサンコンさんに日本でのクラスになじめない、と相談した時には
「ギニアに帰りたければ帰っていい。妻の代わりはいくらでもいる」と言われたそうです。

番組では、実際に離婚するのかどうかまでは追っていませんでしたが、
北山みつきさんが3番目の妻、ということは、
ドマーニさんとは離婚をしたということかと思います。

ギニアは本当に一夫多妻制なの?

サンコンさんが北山さんを3人目の妻として結婚する理由としては、

イスラム教の教えで、男性は4人までの妻をめとってよい

とされているためとされています。

ギニアの婚姻・結婚制度についてネットで調べていたところ、
「ギニア共和国民法典中の婚姻制度」という文章がありました。

著者は佐々木 彩(ささき さい)さん、という研究者です。

https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180821122322.pdf?id=ART0009713320

2010年7月 東洋法学第54巻第1号

この論文は、1983年2月16日のギニア民法典を元にしており、

ギニアの民法では、一夫多妻制が禁止されている、とあります。

ただし、この民法典の元でも、一夫多妻が認められる例外があり、その一つが

1968年1月31日以前に成立した婚姻の効力は存続する

です。(他の例外は、女性が夫を失った時に義兄にあたる男性とは結婚できる、とかなので、今回の北山みつきさんのケースにはあたらないですね。)

ですから、サンコンさんのお父さんに複数の奥さんがいた、というのはこの民法典下においてもアリなことなのでしょう。

一方サンコンさんは、現在69才です。

1968年1月だと、19才なのですが、
その時すでに2人の奥さんと結婚していたのでしょうか?

仮にそうだとして、上の論文の民法典の内容を読む限りでは、
1968年1月以前に一夫多妻の結婚をしていた場合は、そのまま継続してよいが、
それ以降新たに妻を持つのは認められない、というように解釈できるのですが・・・
(私は法律に詳しいわけではないので、理解が間違えている可能性はあります)

ギニアでの離婚

サンコンさんは、ドマーニさんと離婚したと思われますので、、離婚についても調べてみました。
イスラム教では、離婚することは認められています。昔のカソリックみたいに離婚ダメなのかと思っていました・・・

2011年3月 東洋法学第54巻第3号に掲載されている、
佐々木 彩さんの「ギニア共和国民法典中の離婚制度」には

妻の不貞
夫の不貞
嫁資の支払いの不足
虐待

などの具体的な理由の他、

夫婦関係の維持を継続することが絶対的に困難である場合

などに離婚が認められます。

まとめ

ネット上の情報だけでは分からないことも多かったので、大きめの書店に行ってみたのですが、

アフリカ文化やアフリカ史の本があるコーナーにもギニア単独の本はなく、

現在、普通に観光旅行で気軽に行かれるような場所でもないので、
ガイドブックもなく、
(北山みつきさんも、ギニアの現在の情勢から、すぐにギニアに渡航して正式に結婚するのは難しいそうです)

ギニアの制度、分化、生活習慣などは
一般の日本人が調べようとしてもなかなかわからないものなんだなあ、と改めて感じました。

なので、

ギニアの民法で一夫多妻が認められていないという情報がある一方で、
サンコンさんに3人の奥さんがいる、というのが、

法律はあるけれど実際にはイスラムの教えに基づく慣習が続いている、
ということなのかどうか、くわしい、本当のところは分かりませんでした。

なお、イスラム教で、「4人まで妻を持ってもいい」、というのは別に複数の奥さんを持つことが推奨されているのではなくて、
夫を亡くした女性を保護するため、という要素もあります。

複数の妻を持った男性は、
経済的にも愛情も、すべての妻を平等に扱わなくてはならないので、そうおうの経済力も要求され、
誰もができることではない、とのことです。



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